米日カウンシル 2026年年次総会のパネル「Future of Care」に CEO 小野克樹が登壇しました
2026年10月15日、米日カウンシル(U.S.-Japan Council)の 2026年年次総会が東京・セルリアンタワー東急ホテルで開催され、弊社CEO 小野克樹がパネルディスカッション「Future of Care: Personal Connections Thriving in an AI World」に登壇しました。
米日カウンシルは、日米関係の強化に取り組む団体です。今年の年次総会には、高市早苗 内閣総理大臣から祝辞が寄せられたほか、小池百合子 東京都知事、河野太郎 衆議院議員らが登壇しました。
パネルの登壇者
Tim Lomas 氏(Psychology Research Scientist, Human Flourishing Program, Harvard University)
岡 瑞起 氏(Professor, School of Design & Science, Chiba Institute of Technology)
小野 克樹(株式会社EqualFrontiers 取締役CEO)
モデレーター:Chiyo Kobayashi 氏(Co-CEO, Washington CORE, L.L.C.)
「スイッチ1つで、AIをつくる」
小野は首から下が動かず、頭につけたスイッチ1つでパソコンを操作しています。1文を打つのに約1分半かかります。
冒頭のプレゼンテーションでは、このスイッチ1つで取り組んできたことを紹介しました。
Google の Project VOICE で、自分のメッセージをもとに Gemini をファインチューニングし、自分らしい言葉で文章を予測するキーボードをつくったこと(iF Design Award 2026 Gold)
東京大学 松尾研究室の医療LLMプロジェクトで、閉じた環境での大規模LLMの post-training に、サブチームリーダーとして携わったこと
自身が利用する介護事業所「ヘルパーステーション フェアサポート」の業務システムを、自ら設計・開発していること
そのうえで、AIは体を取り戻してくれたわけではなく、「能力とは何か」の定義を変えた、という考え(Reconfiguration of Ability)を話しました。速く打てるようになったのではなく、意図を伝え、出てきたものを判断し、直しを指示することで、設計できるようになった、という話です。この内容は単著論文としてアクセシビリティ分野の国際会議 ACM ASSETS 2026 に採択されています。
会場での議論
リアルタイムで話すことが難しいため、パネルでの回答は事前に用意し、モデレーターの Kobayashi 氏に代読していただきました。小野はこの形式そのものを例に、「個人の親切ではなく、形式を設計し直すことで参加できる構造が、どこにでもあるべきだ」と話しました。
ほかにも、次のような話をしました。
障害のある人の働き方を受け入れるには、能力の測り方・リアルタイム前提の慣習・AI自体が持つ「健常者が前提」のデフォルトの3つが変わる必要がある
障害のある人は、AIの利用者であるだけでなく、評価する人・つくる人になる必要がある
AIは言語の間だけでなく、知っていることと表現できることの間の通訳にもなる。日米の協力でも、相手が知りえなかった知識こそ価値がある
紙・電話・対面の手続きのように、AIが届かない手続きは新しい障壁になる
最後のメッセージは「Assume capability first(まず、できると考えてほしい)」でした。介護とは、人の代わりに何かをすることではなく、本人が主体的に参加できるようにすること。ヘルパーは小野の仕事を代わりにするのではなく、仕事ができるようにしてくれる。AIは代わりに考えるのではなく、考えを画面に届けてくれる。どちらも、もう一方の代わりにはならない、と締めくくりました。
このような機会をいただいた米日カウンシルの皆さま、ご一緒した登壇者の皆さまに、心より感謝申し上げます。